YouTubeの「急上昇」ランキングのアルゴリズムを調べてみた〜動画の視聴回数を最大化するためには?

昨年末にYouTubeのWeb、Android・iOSのアプリに登場した「急上昇」というタブでは話題になっている動画を見ることができます。動画がそこに掲載される基準は

  • 視聴回数
  • 新規性
  • 外部からの参照

によって決まるとのことです。そこで本記事で日本でのYouTubeの急上昇ランキングに入った動画を調査してそのアルゴリズムについて考察します。

 

急上昇とは

YouTubeの急上昇タブ。英語ではTrendingという名称になっています。Webでもモバイルでも閲覧可能で直近で人気・話題になっている動画が掲載されています。たとえば、話題の映画の予告編、 人気のMV(ミュージックビデオ)、YouTuberのバズ動画などを見つけることができます。急上昇に加えWebではBEST OF YOUTUBEとして様々なジャンルの人気動画が、モバイルでは音楽・ゲーム・ニュースの人気動画へのリンクもあります。このランキングには最大50本の動画まで掲載されています。急上昇ランキングに掲載されることでどれほどの再生数の増加が見込まれるのでしょうか。またどうしたら急上昇ランキングに掲載されるのでしょうか

 

ランキングの効果

1時間毎に急上昇ランキングとランキングに入りそうな動画が公開されるチャンネルをチェックして掲載前後の再生数を比較してみます。すなわちランキングに入ることで再生数がどれくらい伸びるか確認します。

まずは日本のYouTuberでは最もチャンネル登録数の多いはじめしゃちょーさんのドッキリ動画。この動画は2016/4/11の18:55頃に公開され、公開後約6時間後の再生数が20万回くらいになったときに急上昇ランキングに掲載されました。そこから急激に再生数を伸ばし、約24時間後に110万回再生されたあたりでランキングから外れました。そして公開後約48時間後には130万回ほど再生されました。

同様に日本では最も有名なYouTuberであろうHIKAKINさんのマインクラフトのゲーム実況動画は2016/4/12の18:00頃に公開され、公開後約6時間後3万回再生あたりで急上昇ランキングの2位に登場し、約60万再生され掲載が終了するまで1位、2位、3位と漂い大きく再生数を伸ばしました。時間帯によって再生数の伸びに差があるのはユーザのYouTubeの閲覧時間帯に大きく左右されるためかもしれません。

もちろんほかのメディアからの流入も考慮すべきですが、これらを見る限りではランキング掲載前の再生数推移の傾向を見るに急上昇ランキングのファーストビューである1~3位に入ることで50~100万再生の追加効果があると考えられます。

 

ランキングの推移

急上昇ランキングに掲載される動画にはどんな傾向があるのでしょうか。

まずは急上昇に掲載された動画のランキングの推移を見てみます。下のグラフは4/12、4/13の2日間に1位から20位にランクインした各動画の順位の遷移を示したものです。縦軸が順位、横軸が日時。各線が動画の順位の遷移を表します。たとえば4/12の2時にいきなり1位になった動画は24時間1位を守り続けた後にランキングから消えています。これを見ると上位の動画は順位の変動が少なく、下位の動画はよく変動しています。動画の人気が不動であることの現れです。ランキングに掲載されたからといって順位が維持出来ているわけではないので、ランキング掲載による再生数の増加は掲載アルゴリズムへの寄与度は低そうです。

 

ランキング掲載開始のタイミング

動画の「新規性」が掲載にどれほど寄与しているか、公開されてからランキングに掲載されるまでの時間について集計してみました。たしかに比較的新しい動画がランクインいるようでした。多くの動画は公開後6時間前後で掲載されていることがわかります。上の「ランキングの遷移」のグラフで、両日ともちょうど日が変わったあたりで大きく変動しているのは、有名YouTuberのみなさんが動画を公開するのが18時〜19時ということもあり6時間後がちょうど日の変わるタイミングすなわち0時〜1時になっています。

「ランキングの推移」も考慮すると過去数時間の再生数推移がランキング入りのための条件となっていそうです。あるいは日の変わるタイミングで平常時とは異なるアルゴリズムを利用しているかもしれませんが、これは日本以外の国の急上昇ランキングなどを追加調査してみて確認する予定です。

 

ランキング掲載期間

上に挙げたはじめしゃちょーさんとHIKAKINさんの動画は24時間前後でランキングから消えていましたが他の動画はどうでしょうか。こちらは結構ばらつきがありました。多くの場合最大24時間で掲載は終了しているようです。ただ中には30時間を超えて掲載されているものもあったので、さらに突っ込んだ調査が必要です。

 

掲載直後の再生数

掲載直後の視聴回数は以下のとおりです。この視聴回数はランキング掲載の影響を受けているので注意が必要ですが、必ずしもある視聴回数を超えたら掲載されるわけではないようです。上に挙げた新規性や外部リンクを考慮されているのでしょうか。またTrueViewといった広告経由での視聴は考慮されていないようです。

 

動画のカテゴリ

ある期間内での動画のカテゴリについても調べてみました。こちらはゲーム=ゲーム実況動画、エンタメ=やってみた動画、おもちゃの紹介動画が多かったです。大きな話題に関連する動画も上位に入ってくるようです。当然のことかもしれませんが、公開初動から視聴回数を稼ぐ事ができる元々チャンネル購読者数の多い動画が入りやすい傾向にあります。

 

外部リンク

YouTubeでも国・世代ごとに24時間以内に共有数を確認できるYouTube Trend Dashboardというサービスがありますが、必ずしも共有数ランキングに入っている動画が急上昇ランキングに入っているわけではありませんでした。どこまで寄与しているかは引き続き調査して参ります。

 

まとめ

急上昇タブによってユーザはランキングという慣れ親しんだ方法でアクセスできるようになりました。またYouTubeにとっても急上昇タブは動画の視聴回数の拡大やサービスの継続率に大きな役割を果たしていると考えられます。

以下のまとめです。

  • ファーストビューの場合50~100万再生の効果が見込める
  • 掲載開始は公開から6時間後、掲載期間は最大で24時間程度であることが多い
  • 急上昇ランキングは過去数時間の視聴回数によりそう

具体的には、他の動画の公開状況にもよりますが、動画公開後6時間で広告以外流入で視聴回数を2万回以上に伸ばすことができれば急上昇ランキングに掲載される可能性が高いです。つまりランキングに掲載されるためには初動でいかに視聴回数を伸ばすかが重要です。それゆえYouTubeを利用したPRを計画するときは公開直後から視聴回数を伸ばせるような包括的な施策を考えるべきでしょう。

 

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