データからみるビットコインの利用状況 〜資産100億超のビットコイン長者も?〜

 「Satoshi Nakamoto」が2008年10月に「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」(ビットコインは決済システムですね。深い!)を発表してから、8年が過ぎ、ビットコインの時価総額は3兆円を超えました。また、ビットコイン以外にも、数百を超える仮想通貨が存在し、それらを合わせると、仮想通貨全体で時価総額は5兆円を突破しました。

 最初は、「Satoshi Nakamoto」の論文の世界観に感銘を受けた一部のエンジニアや研究者たちが中心となって、好奇心とともにビットコインで遊んでいました。しばらくして、メディア等を通して、一般の人にも認知が広まり、ビットコインと法定通貨間の取引も徐々に行われるようになりました。取引開始直後は、マーケットサイズも小さく、他の資産に比べ、価格の暴騰・暴落がいまより起こりやすい環境でしたが、大きなボラティリティを好む「投機家」や、ビットコインのマイニング競争に勝ちたいというエンジニア魂が溢れる「技術者」を良い割合で、うまく巻き込みながら、自然成長してきました。


(coinmarketcap.comのデータを元に弊社作成)

 ビットコインは、ブロックチェーンを活用しているため、誰でも、「誰が誰といくら取引をしているのか」ということがわかります。つまり、幸運なことに、ビットコイン誕生から現在までの成長過程をデータで見ることができます。
 そこで、本記事では、ビットコインの現状として、ブロックチェーンに記録されているデータを用いて、どれくらいの人がビットコインを持っていて、取引を行なっているのかを確認しながら、現状の盛り上がりを実感していきます。

ビットコインの流れ

どれくらいの人がビットコインを保有しているか?

 まず、どれくらいの人がビットコインを持っているのか気になりますよね。具体的なユーザ数を確認することはできませんが、ブロックチェーンに記録されているビットコインアドレスを利用することで、規模感やトレンドを把握することができます。
2017年4月末時点で、0.0001BTC以上保有しているアドレス数は1200万アドレスを超え、その数は1年前の約2倍です。1人あたり、複数アドレスをもっている人も多数いるので、実際のユーザ数は、1200万人を下回りますが、増加率を見ると、浸透スピードの勢いがわかります。
 各アドレスが保有しているビットコインの量別に見ると、1BTC未満を保有しているアドレス数の増加率がもっと高く、「まずは少量でもいいから持ってみよう」というユーザが最も増えていることがわかります。また、10BTC以上保有しているアドレス数も、最近の価格高騰にも関わらず、1年前に比べて10%以上伸びており、「資産分散としてのビットコイン」と考えるユーザも着実に増えていることがわかります。
 なお、10BTC以上保有しているアドレス数は、0.0001BTC以上保有しているアドレス数の約1~2%程度ですが、全ビットコインの約90%を占め、実際の経済状況にも似た構造になっています。
 ちなみに、もっとお金持ちも気になりますよね。複数のアドレスに分散して保有しているユーザの資産を把握するのは困難なので、アドレス単位で見ます。現在、100,000BTC以上保有しているアドレスは2つ存在しています。つまり、彼らは、100億円以上持っていることになります。まさに、ビットコイン長者ですよね。それが具体的に誰なのか、個人なのか企業なのか、までは特定することはできませんが、彼らのアドレスは、それぞれ、2016年8月、2015年10月に1BTCを持ったところからスタートしていることは、わかります。今後が気になりますね。

ビットコインの取引状況は? 

 次に、どれくらいの人がビットコイン取引しているのか確認するために、1ヶ月間に取引のあるユニークアドレス数(①)を確認します。2017年4月の1ヶ月間に約1300万ユニークアドレスで取引が行われています。ここで、注意が必要です。ビットコインアドレスは、プライバシーの観点から定期的に変更されるため(アドレスが変わらなければ、ブロックチェーン上で、個人の残高を簡単に追跡できますよね)、実際の取引しているユーザ数は1300万アドレスよりだいぶ少ないことが推測できます。これは、1日の取引ユニークアドレス数(②)が約70万アドレスで、②/①が5%程度と低いことや、取引回数が2回で保有BTCが0BTCのアドレスが約80%あるという点からもわかります。
 ただし、直近1年間の平均的な取引アドレス数の増加率は約60%で、ビットコインの供給量の伸びの約5%を完全に上回っており、取引に参加するユーザが着実に増えていることはわかります。
 また、取引アドレスのうち、約20%弱のアドレスは、ビットコインを増やす取引のみであり、ビットコインを手放す取引のみをするアドレスよりも多いことから、全体として、ビットコインへの期待感から、売買はせずに、保有目的でビットコインを買うユーザも増えていることが推測できます。
 このように、需要の伸びが供給の伸びを上回っていることも、ビットコインの価格上昇の一因であると推測することができます。
 

まとめ

 ブロックチェーンに記録されているビットコインの取引状況を見ることで、以下のことが確認できます。

1.ビットコインの普及
  まずは気軽にビットコインをもってみようというユーザが最も増えている
2.資産価値としてのビットコイン
  10BTC以上保有するユーザも増えており、資産分散の選択肢になっている
3.需要拡大による価格上昇
  保有アドレス数の伸びや取引アドレス数の伸びといった「ビットコイン需要」の増加
  が「ビットコイン供給」の増加を上回っている。価格安定にはまだ時間がかかりそう

 いま、ビットコインがアツいということがデータを通じて、実感することができました。今後、さらに、ユーザの増加とともに、多様性も増え、経済圏の拡大も予想されます。それに伴い、経済への理解がまた一歩進みそうです。ということで、まだまだ、この興奮は続きそうです。


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